セキュアなネット環境を目指して
サイバー攻撃の種類
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フィッシング
偽のメールやウェブサイトを使い、個人情報やログイン情報を騙し取る攻撃。多くの場合、銀行や公式機関を装う。 -
マルウェア感染
ウイルス、ワーム、ランサムウェアなどを利用してシステムを乗っ取ったり、データを破壊したりする。 -
DDoS攻撃
大量のトラフィックを送りつけて、ウェブサイトやサーバーをダウンさせる攻撃。 -
MITM(中間者)攻撃
通信を盗聴し、データを改ざんしたり、盗んだりする攻撃。Wi-Fiやルーターが標的になることが多い。 -
ゼロデイ攻撃
ソフトウェアの未修正の脆弱性を狙った攻撃。パッチが公開される前に実行される。 -
ドライブバイダウンロード
ウェブサイトを訪れただけでマルウェアがダウンロードされる攻撃。
ルーターの感染を防ぐ方法
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初期パスワードの変更
ルーターのデフォルトパスワードを強力なものに変更する。
例: 英数字と記号を含む12文字以上のパスワード。 -
ファームウェアの更新
定期的にルーターのファームウェアを確認し、最新バージョンにアップデートする。 -
不要な機能の無効化
リモート管理やUPnP(Universal Plug and Play)など、使用していない機能は無効にする。 -
セキュアなWi-Fi設定
暗号化方式を「WPA3」または「WPA2」に設定し、複雑なWi-Fiパスワードを設定する。 -
セキュリティ製品の活用
ルーター専用のセキュリティソフトやファイアウォールを導入する。 -
不審なデバイスを接続しない
信頼できないデバイスやUSBドライブをルーターに接続しない。
ルーターの感染を確認する方法
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異常なネットワーク速度
特に使用していない時間帯にネットワーク速度が極端に遅い場合、感染を疑う。 -
ログの確認
ルーターの管理画面にログインし、不明なIPアドレスやデバイス接続履歴を確認する。 -
ファームウェアの異常
ファームウェアが最新バージョンでない、または公式のものと異なる場合は注意。 -
設定の改変
自分で変更した覚えのない設定(ポートフォワードやDNS設定の改変)があれば感染の可能性がある。 -
不審な通信
データ使用量やトラフィックを監視し、知らない宛先に大量のデータが送られている場合は危険。 -
セキュリティスキャン
専用のセキュリティツールやスキャナーを使用して、ルーターをスキャンする。
ルーターをスキャンする方法
1. ルーターの管理画面を確認
- アクセス方法
ルーターのIPアドレス(例:192.168.1.1
)にブラウザでアクセス。- ユーザー名とパスワードを入力してログイン。
- 初期設定のままの場合、ログイン情報を変更しておく。
- ログ確認
管理画面内の「接続デバイス」「ログ」「システム情報」をチェック。- 不明なデバイスや大量の不審な通信がないか確認。
2. セキュリティソフトでスキャン
一部のセキュリティソフトにはルーターの脆弱性をスキャンする機能がある。以下のようなソフトを使用する方法もある。
- Trend Micro Home Network Security
家庭内のネットワークとルーターをスキャンし、脅威を検出。 - Bitdefender Home Scanner
ルーターや接続デバイスの脆弱性を無料でスキャン可能。 - Avast Wi-Fi Inspector
Wi-Fiネットワークに脆弱性がないか調査。
これらをインストールして自宅ネットワークをチェック。
3. オンラインツールを使用
ブラウザから利用できる無料ツールを使ってルーターをスキャンできる。
- ShieldsUP!
- サイト: https://www.grc.com/x/ne.dll?bh0bkyd2
- ポートスキャンを行い、開いているポートを確認。
- F-Secure Router Checker
- DNS設定の改ざんを検出する簡易スキャンツール。
4. ルーターのリセットと再スキャン
感染の可能性が高い場合、一度ルーターを初期化(ファクトリーリセット)して、再スキャンを行う。
- リセット手順
- ルーターのリセットボタンを10秒以上押す。
- 初期設定に戻ったら、管理画面で設定を再構成。
- 再びスキャンツールでチェック。
5. コマンドを使ったネットワークチェック
パソコンのコマンドで直接ネットワークを調査することも可能。 ポートスキャン(Windowsの場合)
netstat -an
現在のネットワーク接続を一覧表示し、不審な通信がないか確認。
netstat -an
のコマンド結果から、アクティブな接続を確認することで、不審なポートや通信がないかチェックできる方法。
1. 各列の意味
- プロトコル
通信に使われているプロトコル(TCPやUDP)。 - ローカル アドレス
自分のPCが使っているIPアドレスとポート番号。 - 外部アドレス
接続先のIPアドレスとポート番号。
LISTENINGの場合は接続待機中。 - 状態
通信の状態(LISTENING、ESTABLISHED、CLOSE_WAITなど)。
2. 異常なポートを探すポイント
以下の手順でチェックすると良い:
1. よく使われるポートを確認
以下のポートは通常利用されるので、不審ではない。
- 80: HTTP通信
- 443: HTTPS通信
- 3306: MySQLデータベース
- 445: Windowsファイル共有
- 135: DCOMサービス
- 2869, 5357: Windowsネットワーク関連
2. 不明なポートを調べる
不明なポート番号が表示されている場合、以下の方法で確認:
- ポート番号を検索
例:5040
をネット検索すると、特定のアプリケーション(Skypeなど)に関連している場合がある。 - アプリケーションのプロセスを確認
ポート番号に紐づくプロセスを特定:netstat -ano
このコマンドで「PID(プロセスID)」が表示されるので、以下を実行:
tasklist | findstr <PID番号>
PIDに対応するアプリケーションが表示される。
3. 外部アドレスを確認
外部アドレス
に見慣れないIPや、国外のアドレスがある場合は要注意。
例:
- ローカルアドレスのみ → 通常OK。
- 外部アドレスが表示される → 通信先を調査。
4. LISTENINGの確認
LISTENING
は外部からの接続を待ち受けている状態。
以下のポートが常にLISTENINGになっている場合、感染の可能性がある:
- 見覚えのないポート番号。
- よく使われるポート(80, 443など)以外。
3. より詳細な調査方法
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疑わしい通信を調べる 不審なポート番号や外部アドレスがある場合、詳細な解析が可能:
- IPアドレスのWhois検索
外部アドレスを検索して通信先を特定。 - パケットキャプチャ
Wiresharkなどを使い、不審なデータをキャプチャ。
- IPアドレスのWhois検索
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Windowsファイアウォールの設定を確認 不明なポート番号が開いている場合、ファイアウォール設定で無効化を検討。
4. 注意するべき兆候
以下に該当する場合、ルーターやPCに感染の可能性:
- 不明なポート番号がリッスン状態。
- 知らない外部IPに多くの通信が発生。
- パフォーマンスが急に低下。
5. 解決策
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感染が疑われる場合
- ルーターとPCを再起動。
- ルーターの初期化と設定の見直し。
- 信頼できるセキュリティソフトでスキャン。
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問題がなければ
通常動作として特に問題ない。