Wi-Fiの基本と最新トレンド
1. Wi-Fiの基本とは?
Wi-Fiは無線でインターネットに接続するための技術です。規格が進化し続け、速度や安定性、接続可能なデバイス数が大幅に向上しています。
Wi-Fi規格の進化
- Wi-Fi 4 (802.11n):従来の主流規格。2.4GHzと5GHzに対応。
- Wi-Fi 5 (802.11ac):高速通信可能。5GHz帯が主力。
- Wi-Fi 6 (802.11ax):多くのデバイスが同時接続可能で、速度と安定性が向上。
- Wi-Fi 6E:6GHz帯を利用し、さらに混雑を回避した通信が可能。
- Wi-Fi 7 (802.11be):超高速、超低遅延の次世代規格。未来のIoTやゲーム、ストリーミング向け。
2. Wi-Fi 7とは?
Wi-Fi 7の特徴
Wi-Fi 7は、これまでの規格に比べて大幅な性能向上を実現しています。
- 超高速通信:最大30Gbps以上の理論速度。4Kや8Kの動画配信、クラウドゲーミングに最適。
- マルチリンクオペレーション(MLO):複数の周波数帯を同時に使い、混雑を避けて効率的に通信。
- 遅延の大幅削減:リアルタイム性が求められるオンラインゲームやビデオ会議に理想的。
- クアッドバンド対応:2.4GHz、5GHz、6GHzを含む複数帯域をフル活用。
周波数帯の多さによる優位性
- 混雑の回避
複数の周波数帯を使えることで、混雑している帯域を避けて通信できるため、速度が安定。特に6GHz帯は現在利用者が少なく、快適な通信が可能。 - 同時接続デバイスの増加
各帯域が独立して通信を処理するため、デバイスが多い家庭やオフィスでの運用に最適。 - 高負荷タスクの分散
4K・8K動画配信やオンラインゲームを高帯域(5GHz、6GHz)に割り当て、低負荷タスクを2.4GHzに分散可能。
3. トライバンド、デュアルバンド、クアッドバンドの違い
デュアルバンド
2つの帯域(2.4GHzと5GHz)を利用。家庭用として十分な性能。
トライバンド
2.4GHzと5GHz帯が2本の合計3本を提供。帯域の混雑を減らし、高速通信を実現。
クアッドバンド
Wi-Fi 7に対応する技術。2.4GHz、5GHz、6GHzを効率的に利用し、超高速通信が可能。
4. 受信側デバイスの対応も重要!
Wi-Fiの性能を最大限に引き出すためには、ルーターだけでなく接続するデバイス(PC、スマートフォン、タブレットなど)が対応する規格をサポートしている必要があります。
受信側デバイスの規格対応を確認する方法
- デバイスの仕様書を確認
例えば、スマートフォンの場合「Wi-Fi 6対応」や「Wi-Fi 7準拠」と記載されていることがポイント。 - ネットワークアダプタの確認
特にPCの場合、内蔵されているネットワークアダプタが最新の規格に対応しているかを確認します。必要に応じて、Wi-Fi 7対応のUSBアダプタやPCIeカードを追加することも可能。
非対応の場合の影響
- 低速通信:ルーターがWi-Fi 7でも、デバイスがWi-Fi 5ならWi-Fi 5の速度に制限される。
- 一部機能が無効:マルチリンクオペレーション(MLO)など最新機能が使えない。
5. メッシュWi-Fiの仕組み
メッシュWi-Fiは複数のルーターで家全体をカバーする技術。大きな家や障害物が多い環境で特に効果を発揮します。
メッシュWi-Fiと中継器の違い
- 中継器:メインルーターから電波を延長する仕組み。速度低下が起きやすい。
- メッシュWi-Fi:複数ルーターが連携して均一なネットワークを提供し、速度低下が少ない。
6. Wi-Fiルーターのアンテナ数
Wi-Fiルーターのアンテナは通信性能を大きく左右します。
アンテナ数の意味
- MIMO:複数アンテナで同時通信を実現。
- MU-MIMO:複数デバイスと同時通信が可能。
- アンテナが多いほど、複数のデバイスが快適に通信できる。
7. Wi-Fiルーターのポートと用途
- LANポート:有線でPCやゲーム機を接続するためのポート。ギガビット対応がおすすめ。
- WANポート:インターネット回線をルーターに接続するためのポート。
- USBポート:外付けHDDやプリンター接続に利用可能。
8. Wi-Fi環境の選び方
- デュアルバンド:一般家庭用。
- トライバンド:デバイスが多い家庭やゲーマー向け。
- メッシュWi-Fi:広範囲や複数階層の家に最適。
- Wi-Fi 7対応:未来の高速通信や多接続環境に備える。
9.コマンドプロンプトで確認
パソコンのWi-Fi受信機(ネットワークアダプタ)が対応しているGHz帯域を確認するには、以下の方法で調べることができます。「コマンドプロンプト」を開く(Windowsキー + R → cmd と入力してEnter)。
netsh wlan show drivers