実は乱数ではない乱数の裏側
プログラミングの世界で使われる「乱数」について、実は「乱数」は本当にランダムではないんです・・・
1. 乱数とは?
まず、乱数とは何かをおさらいしましょう。乱数とは、その名の通り「ランダムな数」のことを指します。プログラムの中で、予測できないような数値を生成するために使われます。例えば、ゲームのダイスロールやセキュリティのためのパスワード生成など、多くの場面で使われています。
2. 本当にランダムなの?
さて、ここで疑問です。プログラムで生成される乱数は、本当にランダムなのでしょうか?実は、ほとんどのプログラムで使われている乱数は「疑似乱数(Pseudo-Random Number)」と呼ばれるものです。疑似乱数は、ある種の計算アルゴリズムによって生成されるため、完全なランダムではありません。
3. 疑似乱数の仕組み
疑似乱数は、特定の初期値(シード値)を元に計算されます。このシード値が同じであれば、生成される乱数の系列も同じになります。つまり、同じプログラムとシード値を使えば、同じ乱数が再現できるのです。
- シード値: 疑似乱数生成器の出発点となる値。この値を変えることで、異なる乱数系列を生成できます。
- アルゴリズム: 一般的な疑似乱数生成アルゴリズムには、Linear Congruential Generator(LCG)やMersenne Twisterなどがあります。これらのアルゴリズムは、計算に基づいて次々に乱数を生成します。
4. なぜ疑似乱数を使うのか?
ここで疑問が生まれます。なぜ完全にランダムな数ではなく、疑似乱数を使うのでしょうか?
- 効率性: 完全なランダム数を生成するのは計算的に非常に難しく、効率が悪いです。疑似乱数は高速かつ簡便に生成できるため、実用的です。
- 再現性: 疑似乱数はシード値を使って再現性を持たせることができます。これは、例えばデバッグやテストの際に非常に有用です。同じ条件でプログラムを再実行することで、同じ結果を得ることができます。
5. 真の乱数は存在するのか?
「じゃあ、真の乱数はないの?」と思った方もいるかもしれません。実際、物理的な現象を利用して乱数を生成する方法もあります。例えば、放射性崩壊や電子ノイズを利用して真の乱数(真のランダム数)を生成するハードウェア乱数生成器があります。
- ハードウェア乱数生成器: 自然界の物理現象を利用して、本当に予測不可能な乱数を生成します。これらは非常に高価で、特定の用途(高度なセキュリティ対策など)で使われます。